こんにちは!かさけんです。
今年も心臓リハビリテーション学会学術集会に参加してきました。
東京オリンピックの関係で毎年の7月ではなく6月の開催でしたね。
学会に参加して感じたことや思ったこと、僕が考える最近の心臓リハビリテーションの傾向についてまとめてみました。
実際に学会に参加された方だけでなく、心リハには携わっているけど学会にはまだ参加したことがない方にも興味をもっていただける内容になっていると思います。
よかったら覗いていってください!
はじめまして!
ハートリハブログのかさけんとはるです。
ご訪問ありがとうございます。
このブログは「心リハをたくさんの人に知ってもらいたい!」を
目的に夫婦で協力して作成しています。
急性期総合病院で心リハをメインに理学療法士として働いている。
心リハを始めて7年、心リハ指導士の資格取得をして5年。
2020年に心不全療養指導士の資格を取得。
こよなく心臓を愛している。はるの夫。
記事の主な作成者。
看護師で混合病棟に6年在籍していた。かさけんの妻。
記事の編集やブログ運営をしている。
第27回心リハ学会で興味深かった内容
2021年6月19日、20日に第27回日本心臓リハビリテーション学会学術集会が開催されました。
私は心臓リハビリテーションに興味を持ち始めてから、最新の心臓リハビリテーションの情報を得ることを目的に毎年心臓リハビリテーション学会学術集会に参加しています。
2014年から7年連続で参加させてもらい、学会発表は今回で5回目でした。
今回はハイブリッド形式での開催であり参加者は約5,000人、現地開催の人数は約300人であったと閉会式で発表がありました。
私自身はオンラインで参加・発表をさせてもらいました。
そんな私が興味深いと感じた下記4点について簡単にまとめてみました。
- ガイドライン改訂
- 腫瘍循環器リハビリテーション
- 遠隔心臓リハビリテーション
- 回復期心臓リハビリテーション
ガイドライン改定について
今回は2021年3月に心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドラインが改定されてから、初めての心臓リハビリテーション学会学術集会でした。
ガイドラインがどのように変更されたのか、どのような項目が追加されたのか作成担当の先生方から講演がありました。
個人的には心臓リハビリテーションの構成要素に疾病管理が追加されたことが1番の変更点だと思っています。
心臓リハビリテーションは理学療法士が運動療法をしていると思っている医療スタッフもまだまだ多いのが現状です。
今回の改定で疾病管理が追加されたことによって心臓リハビリテーションの認識が少しでも変われば良いと思いました。
腫瘍循環器リハビリテーション
今回のガイドラインで腫瘍循環器リハビリテーションの項目が新たに追加されました。
腫瘍循環器リハビリテーションとは、がんリハに心リハの要素を加え、心肺機能向上と心血管病のリスクを減らし、がんサバイバーの予後を改善しようとするものです。
超高齢社会の到来と医学の進歩によってがんサバイバーと言われるがんと診断され、治療中あるいは治療が終わった人たちが増え、がんの治療に使われる薬剤や放射線治療による心血管病も増加していると言われています。
また、がんサバイバーの方はがんの再発よりも心血管病をはじめとするその他の病気が原因で亡くなる方が多いと言われています。(詳細はこちらの文献に記載されています↓)
腫瘍循環器に興味がある方におすすめの本です。
実際にどのような患者さんに対してどのような介入をするべきなのかという勉強になりました。
がんサバイバーががんの再発でなく心血管病をはじめとした他の病気で亡くなっているというのは驚きでした!
今後、間違いなく発展していく分野だと思いました。
遠隔心臓リハビリテーション
今回の学会では遠隔心臓リハビリテーションのシンポジウムが組まれていたり、演題も多く感じました。
外来心臓リハビリテーションを行うことで、心臓病の患者さんの身体能力が向上して再入院率は低下します。
しかし心不全で入院した患者さんが外来心臓リハビリテーションに参加率は7%と非常に低いと言われています。
外来心臓リハビリテーションの参加を妨げる大きな要因として、心臓リハビリテーション 実施施設までの通院方法や時間の問題が大きいと言われています。
そのような中で情報通信技術(Information and communication technology:ICT)を基盤とするインターネットを用いた双方通信や生体情報管理を含めた遠隔心臓リハビリテーションが普及しつつあります。
日本においてはまだ普及しているとは言えませんが、コロナウイルス感染症の影響もあって遠隔リハビリの必要性は増してきています。
今後、病院で行う心臓リハビリテーションだけでなく自宅で遠隔で行われる心臓リハビリテーションも普及してくるかもしれません。
日本では「Remohab」という会社が遠隔心臓リハビリテーションの最先端を走っていて、今現在遠隔心臓リハビリテーションの有効性についての研究を進めているようです。
どこの施設でも遠隔心臓リハビリテーションを実施するのはまだ先かもしれませんが、通院で心臓リハビリテーションができない患者さんには、あらためて有用な方法だと思いました。
どのような方法が良いのか私も勉強を重ねていきたいと思います。
回復期心臓リハビリテーション
今回の学会に参加して1番重要性を感じたのは、「回復期心臓リハビリテーションをどう普及させていくのか」でした。
心疾患で入院される患者さんはどんどん高齢になっています。
元々ADLが高くない人が数週間入院されると心不全の状態は落ち着きますが、ADLが低下して自宅に退院できないことも多く、入院関連機能障害と言われ問題となっています。
2016年に脳卒中・循環器病対策基本法が施行され、その中でも急性期病院から回復期病院、維持期の病院へスムーズな連携を図る事が重要と記載されています。
脳卒中を発症された患者さんは急性期から回復期リハビリテーション病院へスムーズに転院され、1日数時間リハビリテーションが行われます。
しかしながら、心疾患となると回復期リハビリテーション病院で心大血管疾患の施設基準を算定している施設は約20%と非常に低いのが現状です。
これについて本学会でシンポジウムが組まれて現在の課題と、今後行うべき事が多く話し合われました。
高齢心疾患患者はどんどん増加し、回復期リハビリテーション病院での心臓リハビリテーションの必要性は今後さらに増してくると思います。
急性期病院で働いている立場として、回復期リハビリテーション病院と密に連携して情報を共有することが重要であり、今後の課題として実践していきたいと思います
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました。
心臓リハビリテーション指導士の資格を持つ私が気になった学会でのシンポジウムや内容を紹介しました。
学会で取り上げられているということは現在臨床の現場で困っている人達が多いので、意見交換や話し合うためにシンポジウムが組まれているので流行や学会がどのように考えているのかが分かってきます。
定期的に心臓リハビリテーション学会学術集会に参加することで最新の知識も得ることができますが、新たな研究分野の発掘、さらにはみんなも頑張っているのだなとモチベーションが上がることが最大の参加の目的かもしれません。
この記事を読んだ感想や、心リハ学会についての意見交換ができればと思っています。
問い合わせやツイッターでのコメント、DMでも大歓迎です!
よろしくお願いします。
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