循環器病棟で働いているのですが、患者さんの病態を理解するのにわかりやすい本はありませんか?
心リハの知識をもう少し深めたいのですが、おすすめの本はありますか?
心リハに関するおすすめの本についてよくご質問をいただくので、最新のおすすめ参考書についてまとめました。
前回は、心臓リハビリテーションについて一から学びたい!という方や、心臓リハビリテーションの基本から応用を学びたい方向けにおすすめする本をご紹介しました。
今回は2022年最新バージョンとして、心不全(心疾患)や心リハについてより深く理解したい方向けに、おすすめ書籍についてご紹介したいと思います。
- 心臓リハビリテーションの知識を深めたい人
- 心不全(心疾患)の知識を深めたい人
- 心リハに携わっている人で心リハに関連したおすすめの本を知りたい方
心不全(心疾患)をより深く理解できる本4選
心不全(心疾患)の知識をもう少し深めたい、目の前の心疾患の患者さんの病態を理解したい、という方にお勧めの本をご紹介します。
心不全診療パーフェクト
心リハor循環器疾患に携わって3~5年以上経過した医療従事者に推奨
心不全の患者さんに携わって2~3年以上経った医療従事者にぜひ読んでほしい本です。
循環器内科の医師が、普段処方している薬剤や検査の意味、その目的が分かりやすくまとめられています。
時間軸で考える心不全診療をコンセプトにまとめられていて、どの時期にどの検査がなぜ必要か、その理由と共に解説されています。
心リハを始めて7年目の時に、Twitterでこの本が発売されたことを知り購入した本です。
「なぜあの患者さんにはあの検査が行われなかったのか」という臨床での疑問を解決するきっかけになりました。
新しい心血行動態入門
心リハor循環器疾患に携わって1~2年以上経過した医療従事者に推奨
心機能、血行動態とは何かについてまとめられている本です。
心不全診療や心臓リハビリテーションについて学び始めた人が、少し踏み込んで勉強するときに良い本だと思います。
臨床心不全を理解するために必要な、心血行動態の基礎、心不全の心血行動態、各心疾患における心血行動態で構成され合計80のクエスチョンに対する回答が、1つのクエスチョンを図込みの見開き1ページでシンプルかつ分かりやすく記載されています。
心リハを始めてから1~2年目のころに購入しました。
運動時にはどのような血行動態の変化が生じるのか、心不全の症状と血行動態の関連性、弁膜症、HFpEFでは正常と比較してどのような血行動態になっているのか非常に参考になりました。
臨床にダイレクトにつながる循環生理
心リハor循環器疾患に携わって3~5年以上経過した医療従事者に推奨
循環生理学の教科書といっても過言ではない本です。
循環生理学と聞くと難しいイメージがありますが、心臓の電気活動から心機能、血管の機能、自律神経系、微小循環でのガス交換機能など難しいテーマを分かりやすく、多くの図を用いて解説されています。
心リハを始めて4~5年目のときに、学会の書籍展示ブースで購入した本です。これはわかりやすい!と思って一目惚れしました。
臨床で感じた疑問や、ある病態でこのような血行動態の変化が起きているのはどうしてかということを探るときに今でも活用している本です。
実践・心不全緩和ケア
心リハor循環器疾患に携わって3~5年以上経過した医療従事者に推奨
心不全の緩和ケアについてどのようなことをすべきか悩んでいる方におすすめの本です。
この本は、1つの項目ごとに症例が提示されていて、実際に患者さんがどのように考えていて、それに対してどのような介入したのか、実践されたことがまとめられています。
2021年に日本循環器学会から緩和ケアのステートメントが発表された時に実際にどのようなことをしていくのか勉強したいと思い、この本を購入しました。
今でも緩和ケアが必要な患者さんを担当した時に、どのようなことを考えて接していくべきなのか読み返すことが多い本の1つです。
心リハをより理解できる本3選
心リハをやってきた方が、もう少し踏み込んで勉強したいときにお勧めの本を紹介します。
また心不全、心臓血管外科術後など専門的な領域を深く学べる本を紹介します。
心不全の心臓リハビリテーション U40世代のanswer
心リハor循環器疾患に携わって1年以上経過した医療従事者に推奨
心不全の心臓リハビリテーションに特化した基本から応用までこの1冊で網羅されている本です。
臨床現場の最前線で活躍されている先生ばかりが執筆されていて、非常に分かりやすくまとめられています。
心リハでの知っておくべき病態の知識、どの時期には何を注意して何をするべきなのかが書かれています。
また、併存疾患や先天性心疾患、うつ、認知症などの病態を合併しているときには何を注意すべきなのか、コラムでは著者の失敗談などがまとめられています。
今年、出版された本の中で個人的に一番注目していた本です。
巻末には心臓リハビリテーションの中でよく使用される検査や基準値などが一覧にされていて活用しています。
心不全の心リハの教科書の位置づけになるような本だと思います。
心疾患治療としての心臓リハビリテーション
心リハor循環器疾患に携わって3~5年以上経過した医療従事者に推奨
心臓リハビリテーションの歴史や有用性に始まり、具体的な実施方法、各種疾患の心臓リハビリテーションについてまとめられている本です。
各種疾患の心臓リハビリテーションの項目では狭心症、心筋梗塞後、慢性心不全、大血管疾患などの疾患ごとのリハビリテーション実施時の注意点や最新のエビデンスがまとめられています。
心臓リハビリテーションについてもう少し深く勉強しようと思ってこの本を購入しました。
医師向けに書かれた雑誌なので内容が少し難しいため、心リハを初めてもう少し深く勉強したいなという方にお勧めな1冊です。
心臓血管外科リハビリテーション―ゴールド・スタンダード
心リハor循環器疾患に携わって3~5年以上経過した医療従事者に推奨
心臓血管外科術後のリハビリテーションに携わる方必見の1冊です。
心臓血管外科の術前、周術期、ICUから急性期、回復期、外来リハの場面での注意すべき点がまとめられています。
また、リハビリテーションに関する内容だけでなく病態や術後の管理のポイントについても記載されていて、セラピストだけでなく心臓血管術後に携わる全ての方にぴったりの本です。
僕の現在勤務している病院では心血管の外科手術は行っていませんが、術後の患者さんが転院されてきたり、外科の手術を受けられた病院を退院後に当院に紹介され、心リハを受けられる方も増えてきたので、どのようなリスク管理が必要なのか非常に参考になりました。
最後に
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
知識を定期的にアップデートすること、アップデートし続けていくことが目の前の患者さんを良くするためには必要不可欠です。学会に参加する、研修会や勉強会に参加する、論文を読むなど勉強の方法は様々だと思いますが、まとまった内容について勉強したいというときには書籍を購入して勉強した方が効率が良い場合もあると思います。
僕がこれまでに購入した本を紹介してきましたが、もっとこんな書籍が面白いなどコメントがあれば是非各SNS・ブログから教えてください!
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