こんにちは!かさけんです。
僕は入職1年目の秋から心リハに関わるようになり、4年目に心リハ指導士の資格を取得しました。
症例報告書の作成に時間がかかった経験などから、心リハ指導士の資格取得がスムーズに行えるようにブログにまとめました。
前編では心リハ指導士の受験資格についてと症例報告書のポイントについてまとめています↓
今回の後編では試験内容や試験の合格率、勉強ポイントについてまとめました。
- 心リハ指導士の試験を受けたいもしくは受験を検討されている方
- 心リハ指導士の試験のポイントや学習方法について知りたい方
- 心リハ指導士の合格率について知りたい方
はじめまして!
ハートリハブログのかさけんとはるです。
ご訪問ありがとうございます。
このブログは「心リハをたくさんの人に知ってもらいたい!」を
目的に夫婦で協力して作成しています。
急性期総合病院で心リハをメインに理学療法士として働いている。
心リハを始めて7年、心リハ指導士の資格取得をして5年。
2020年に心不全療養指導士の資格を取得。
はるの夫。記事の主な作成者。
看護師で混合病棟に6年在籍していた。
かさけんの妻。記事の編集やブログ運営をしている。
心リハ指導士の試験について
受験資格を満たし、症例報告書を10例完成させ、書類選考を通るとようやく最終段階の試験になります。
受験資格や症例報告書については前編でまとめています↓
試験は年1回行われ、コロナウイルス感染症までは第1部、2部の心リハ認定制度委員会主催の講習会と同様に心臓リハビリテーション学会学術集会の翌日に試験が行われていましたが、2021年は心臓リハビリテーション学会学術集会が6月、講習会が7月、試験が8月にオンラインで開催となりました。
毎年4月頃に該当年の情報が心臓リハビリテーション学会のホームページに公表されるので確認してください。
心臓リハビリテーション指導士の審査料は15,000円です。
試験は50問で構成され、試験時間は60分です。1問あたり5つある選択肢から正しいものや誤っているものを回答する五者択一、一部2部選択のマークシート方式で例年行われています。
心臓リハビリテーションのホームページの「心臓リハビリテーション指導士養成カリキュラム」には心臓リハビリテーション指導士が保持すべき、心臓リハビリテーションに関する知識および技能の到達レベルが記載されています。
養成カリキュラムを見ても分かるようにリハビリテーションの知識だけでなく、解剖学や運動生理学、病態生理学についての知識も心臓リハビリテーション指導士には必要であることが分かります。
心リハ指導士の試験合格率
試験の合格率は全体で約60%台後半となっています。心臓リハビリテーション学会のホームページには職種別の合格率が記載されています。
上の図は心臓リハビリテーション学会のホームページから、過去5年分(第20回~16回)の各受験人数と合格率を用いて1年あたりの平均受験者数と合格率を割り出した表です。
毎年試験の講評という形で試験内容などのコメントが記載されています。試験の傾向を確認したい方は確認必須です。
上級指導士・認定医の制度ができたため、指導士の試験では基本的な問題解決能力をみるように設定され、難解な問題が減らされていて、以前の試験より難易度が下がっている傾向にあるようです。
心リハ指導士の試験勉強について
僕が心リハ指導士を受験する際に行った勉強方法についてまとめました。
心臓リハビリテーションに関する基本的な知識を頭に入れる必要があると思い、心臓リハビリテーション必携のテキストを何度も読みました。
そして、その中で分からない用語があれば、紙に書き出して調べる事を繰り返しました。
CPX関連の用語や、薬の作用機序についてなど覚えにくい所も繰り返し書いて覚えました。
自分が担当した患者さんが、どのような病態でどのような治療が行われているのか、どのような運動処方が適切なのかを考えるようにしていました。
運動療法に関する知識や疑問は心臓リハビリテーションを経験している上司に質問しました。
病態について分からなければ医師に質問し、食事内容について分からなければ管理栄養士に相談を、生活指導について困ることがあれば看護師と情報を共有しながら心リハに関する視野を広げていきました。
もっと患者さんが良くなる方法はなっかたのかといった視点で、運動処方の方法や食事についてなど他の選択肢はあったのか、別の介入方法の選択をしていれば良かったかもしれないなど、患者さんのために何が出来たのかということを振り返りました。
STEP1にある試験勉強の1つとして読んだテキストはこの2冊です。
あとは心臓リハビリテーションの根幹とも言える運動療法、運動処方、運動生理学の項目について参考図書に多く記載されていたり、試験問題も多かったです。この点を心臓リハビリテーション学会は力を入れているのだなと試験勉強をしていて感じました。
具体的には運動時の呼吸循環代謝応答を選択する問題や、CPXのパネルからAT時の心拍数を求める問題、運動療法の種類における効果の違いなどの問題が出題されていました。
おそらくこの運動生理学を苦手にしている方が非常に多いと思うのでまとめた記事を参照ください。
僕も心リハを始めたころは右も左もわからない状況で、ガイドラインに書かれている離床プログラムや自転車エルゴメータを使用した運動処方を行っていました。
しかし、患者さんがどのような状態なのか分かっていなかったり、どのような薬を飲んでいるのか、どのような生活習慣でどのような食事内容なのかを理解していないと運動負荷が状態を悪化させてしまうことも十分考えられます。
分からないところはその専門職種に質問して聞くという事が一番勉強になると思いました。
心リハ指導士の試験内容について
例年、運動生理学に関連する基礎や解剖、疾患概念、病態、食事・運動・禁煙指導の実際、心理的介入など心臓リハビリテーションに関する幅広い範囲から問題が作成されています。
(第15回の)試験内容は僕が考えていたより幅広く出題され、意表をつかれました!
特に栄養についてや心理面、施設基準など病態や運動以外の問題が多かった印象があります。
試験内容は基本的に「-指導士認定試験準拠- 心臓リハビリテーション必携」と日本循環器学会などの各種ガイドラインから主に出題されます。
しかし、心臓リハビリテーション必携に含まれていなくても毎年のトピックなど、心リハ指導士として知っておかなければいけない問題も出題されます。
また、運動中の病態生理、運動処方、食事療法については心臓リハビリテーション必携やガイドラインや講習会だけではカバーされない可能性があり、幅広い知識が必要となります。
参考図書については心臓リハビリテーション学会ホームページにまとめられています。
また、過去に僕がおすすめする心臓リハビリテーションを学ぶ際に分かりやすい参考書をまとめていますので、参考になればと思います。
心リハ指導士資格更新について
心リハ指導士の資格を取得してから5年以内に心臓リハビリテーション学会が定める50単位を取得する必要があります。
- 心リハ学会学術集会参加:15単位
- 心リハ学会学術集会発表演者:10単位
- 心リハ学会認定の学会参加:5単位
また心臓リハビリテーション学会学術集会に最低1回は参加することも必要となります。
例えば心臓リハビリテーション学会学術集会に参加して発表を行うと25単位取得できます。
心臓リハビリテーション学会学術集会に毎年参加するだけでも良いですし、その他、心臓リハビリテーション学会が認定する学会や講習会に参加、論文投稿で50単位を取得する必要があります。
詳細は心臓リハビリテーション学会HPの心臓リハビリテーション指導士の資格更新についてをご参照ください。
まとめ
心臓リハビリテーションに携わる全ての人が目指すべき資格が心リハ指導士だと思います。
心リハ指導士を目指すことは、自分のスキルアップのためだけでなく自分が担当した患者さんのためになると思います。
この記事を見て、心臓リハビリテーション指導士を目指してみようと思う方が1人でも増えればうれしいです。
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